武庫川SCのロゴマーク
武庫川SCのロゴマーク
武庫川スポーツクラブのロゴマークは、水墨画家で知られる故・國広節夫さんの手により制作されました。
2010年1月の兵庫県立美術館にて、その遺作展が開催され多くの来館者が、時に幽玄で時に力強い作品の数々に触れることができました。
~~武庫川SC クラブ・ロゴマークが制作された経緯~~
【高瀬 元名誉会長・記】(1996年当時。故人)
1996年の「第6回1996年・秋の武庫川長距離走」(現在の「ユリカモメマラソンin武庫川」大会)を開催するにあたり、高瀬※が、プログラム表紙絵を友人の国広さんに依頼しました。
出来上がった作品は、走る勢いにあふれた素晴らしい書(絵?)で、表紙を飾り、(大会)当日には、同氏も応援に来場されました。「人が走る姿を書に表せばこのようになります」との言でした。
当時までクラブのロゴマークが無かったので、同年末の運営委員会に諮り、この「走姿」をロゴに決定しました。早速、「ロゴマーク」に採用の了承を作者に求めたところ、下記の返信をいただきました。
『高瀬会長には、いつも私の展覧会を見に来ていただいております。そんなご縁で1996年の「秋の武庫川長距離走」の表紙を書かせていただきました。
それが武庫川スポーツクラブのマークに、旗に、使っていただけるのは、私にとりまして大変幸せで誇りです。これからも皆様のご活躍を楽しみにし、益々クラブのご発展をお祈りしております。
水墨画家 国広節夫』
以降、クラブ旗も作成し、このロゴマークをクラブ前進の旗印として、武庫川SCも成長して参りました。今後も武庫川SCでは、創作者の故国広節夫氏及び夫人の冨美子氏との絆は、大切に守っていきたいと思います。
※当時は当クラブの会長
【略 歴】
國廣 節夫
1947年 神戸生まれ
洋画を安川日露四氏、南画を左野柏葉氏、書を望月美佐氏に師事。
(株)創工社、大丸宣伝部を経てフリーのグラフィックデザイナーとして活動。
1986年より、墨の展覧会活動を始める。
宝塚造形大学短期大学部講師などを務める。
2007年11月14日夭折。享年60歳。
【竹林(竹取物語より)】
【画 歴】
1986年 ギャラリーピクチャー(大阪)にて初個展。以後、全国各地で個展・グループ展など開催。
ニューヨーク・ボストン・シドニーなど海外でも個展を開催。
書道家でもある夫人との合作「源氏物語」は十数回を重ねる。
ライフワークとして、日本古典文学シリーズ「源氏物語」をはじめ「平家物語」「曾根崎心中」「竹取物語」「小倉百人一首」5シリーズ発表。
伝統的な墨の世界に現代的な造形を加え、独自の世界を確立。
斬新でユニークな表現で和紙と墨の可能性を追求した。
遺作展は、以下の日程で開催されました。
- 開催日: 2010年1月6日(水)〜13日(水)
- 会 場: 兵庫県立美術館 ギャラリー
『源氏物語』『曽根崎心中』『古事記』など日本古典文学を題材に、墨象の新しい可能性を追求した國広節夫さん。
2007年11月に逝去された氏のライフワークであった古典文学シリーズを中心に、こよなく愛した「桜月夜」シリーズ、清新な抽象水墨画など約100点を一堂に展示します。独自に拓いた「墨いろの世界」をぜひ、ご高覧ください。 (遺作展の案内より)
- 遺作展と実行委員会についての案内は右のボタンを押すとPDFでダウンロードされます。
《2010年奥様の國廣冨美子様(書道家)より武庫川SC宛てに頂戴したお礼状》
【遺作展での國広冨美子夫人のご挨拶】
- 追 伸
國広冨美子夫人は、まるでご主人のあとを追うように、遺作展の1年後の2011年12月、突然天に召されました。國広節夫の作品と人物を誰よりもいちばん愛していた奥様ですから、今、お二人は天国で仲睦まじく、絵と書を楽しんでいらっしゃることと思います。ご冥福を心よりお祈り致します。
2012年2月『國広節夫・冨美子遺作展~墨色の世界』が神戸で開催されました。